子どもも大人も自己表現できる場を

5月に市立の中学校8校、小学校6校で体育祭・運動会が行われました。

私も参観しましたが、どの学校でも、子どもたちが最後まで一生懸命走る姿、仲間と勝利を目指して力を合わせて戦う姿、これまでの練習の成果を発揮して最高の演技を見せてくれる姿にとても感動しました。

応援席の子どもたちの姿も印象的でした。トラックで競技している他学年の友だちに向かって大きな声援や拍手を送る姿がどの学校でも見られ、その姿もまた、参観している人たちにさわやかな感動を与えてくれました。

また、今年も保護者や地域の方々にご協力をいただきながら体育祭・運動会が行われており、あらためて学校が地域とともにあることを実感しました。ご協力いただいた保護者や地域の皆さまには感謝申し上げます。

本年度前期の体育祭・運動会は、比較的涼しい日が多かったことから、心配していた熱中症もなく終了することができました。

今年の夏も猛暑が予想されます。まだ体が暑さに慣れていない子も多いと思われますので、緊張感をもって熱中症の対策に努めてまいります。

さて、5月は体育祭・運動会だけでなく、地域の方々のご協力をいただきながら教育活動が充実していることを実感する場面が多くありました。

5月28日には、各学校の学校支援コーディネーターへの委嘱状交付式と研修会を行いました。学校支援コーディネーターは学校と地域をつなぐ大切な役割を担う方々で、各学校への配置を進めてから10年以上が経ちます。本年度は51名もの方々に学校支援コーディネーターとして、それぞれの学校において、地域の教育力をお借りした教育活動の充実のためにご尽力いただくことになりました。

研修会では、本市における部活動の地域展開について担当課よりご説明をしました。今回は本市の目指す、部活動の地域展開について学校支援コーディネーターの皆さまにご理解をいただけるよう、プレゼン資料をもとに説明しました。今後も、地域と学校との連携に関する事業について、学校・地域・行政がねらいを共有しながら一体となって進められるよう、丁寧なご説明を心がけていきたいと考えています。

昨年度よりすべての各小中学校に学校地域連携運営協議会を設置し、コミュニティ・スクールがスタートしましたが、学校によっては、学校地域連携運営協議会において部活動の指導者不足について話題にしたことがきっかけとなり、協議会の委員の方から指導者を紹介いただいた学校もあります。先日、校長・教育長面接においては、校長から、地域の方々にご協力をいただく教育活動が定着してきていること、今後は学校が地域のためにできることを考え、具体的に進めたいという話もありました。

今後も「学校の課題は地域の課題」「地域の課題は学校の課題」という二つの考え方をもとにコミュティ・スクールを展開し、地域とともにある学校づくりの充実を図っていきます。

さて、本年度も5月27日から「青少年自立支援未来塾」が始まりました。地域の方々のご支援をいただきながら、市立の中学生を対象に学習支援を行う本事業は、今年で11年目を迎え、中学生の間でも定着した事業となっています。本年度は、140名を超える生徒が登録し、60名の方々に学習支援を行っていただくこととなりました。学習支援員の皆さまの中には、教育委員会と連携に関する協定を結んでいる明海大学の学生の方もいます。私も会場である各公民館に参観に行ってきましたが、学校の授業とはまた違った雰囲気の中、どの生徒も支援員さんの話をしっかり聞き、学習意欲が感じられました。これから各自のペースで学習を進めていくことになりますが、学習支援員の皆さまが子どもたちに向ける笑顔と、「困ったことやわからないことがあったら、何でも聞いてください。」という言葉が温かく、どの子も安心して学習できる場になることと期待しています。

5月の土曜日、日曜日は、多くの春季市民大会が行われました。種目によっては、200名を超える選手が集まり、スポーツを通した交流が展開されました。小学校1年生の子どもたちの参加もあり、高校生や大人の方たちとともに剣道着や柔道着を着て、姿勢よく整列する姿はとてもかわいく、また頼もしかったです。高齢者の方々が中心となった団体の競技では、私も始球式に参加させていただきましたが、なかなかうまくいかず、皆さまの活躍ぶりを実感しました。和気藹々わきあいあいとした雰囲気の中、競技が行われ、スポーツに親しむことのよさをあらためて感じました。

各スポーツ団体の皆さまには、障がいのある方や初心者の方を対象とした体験会を行うなど、本市のスポーツの振興にご尽力をいただいており、大変ありがたく思っています。

先日は、郷土博物館の職員にお洒落しゃらくの動画を見せてもらいました。きれいな着物を着て踊る方たちの中にジュニア学芸員として活躍している市内の小学生2人がいました。とても上手に踊る様子を見て、ふるさと浦安の伝統に親しむ子どもの姿に感動しました。

新年度がスタートして2カ月がたち、学校教育においても社会教育においてもさまざまなことが軌道に乗ってきました。

学校においても、またさまざまな年代の市民の方々にとっても、自己を表現できる居場所を見つけ、生き生きとした日々が過ごせるよう、さまざまな事業の充実に努めていきたいと考えています。

令和7年6月

教育長　船橋　紀美江